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宇治市議会(行政視察報告 平成23年度) 2

[2011年7月28日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日:平成23年7月20日(水)~22日(金)
視察先: 福井県、富山市(富山県)、金沢市(石川県)
出席委員:坂本委員長、久保田副委員長、木沢、松峯、関谷、鳥居、木村の各委員

《福井県》 (7月20日)

【調査項目】
●平成16年7月の福井豪雨による足羽川洪水災害について

『県の概要』
*県制施行:明治4年2月7日
*人口:803,915人(平成23年6月1日現在)
*面積:4,189.59㎢ 

1.平成16年7月の福井豪雨による足羽川洪水災害について

 平成16年7月18日の明け方から異常な雨が降り、美山観測所にて1時間当たり87ミリの雨量を観測した。これは過去35年の最大である57ミリを大きく超え、過去35年平均の31ミリの約3倍の値である。この雨の特徴として、2日雨量でいくと25年に一回程度の雨量であったが、6時間雨量で比較すると戦後最大、確率でいくと1000年に一回程度考えられるかどうかという大規模な豪雨であった。足羽川の基準地点である天神橋の流量はピーク時で2,400トンで、足羽川の河道の容量が1,800トンであったため市街地で越水が起きた。

 この豪雨による死者は4名、行方不明者が1名(後に発見)、負傷者19名。住宅被害は全壊が57世帯、半壊が139世帯、一部破損が211世帯、床上浸水が3,313世帯、床下浸水が10,324世帯となった。河川の被害は堤防の決壊が足羽川と清滝川で各1カ所、越水が23カ所、堤防の法面からの漏水が3カ所。道路の被害は冠水・崩土・道路流失等があった。鉄道ではJR越美北線において足羽川にかかる橋梁が流され寸断された。その他、農林水産等に被害があった。

 足羽川の破堤の要因は、1つは越水による洗掘と、もう一つは越水が堤防の中に浸水したことで堤防自体が弱くなっていて、ある時点でごそっと堤防が崩れたということであった。

 平成16年度に足羽川河川激甚災害対策特別緊急事業が認定され、以後の4カ年で実施された。当初300億円の予算で河床の掘削、堤防の強化、川の流れの阻害となる橋梁の架けかえを行い、最終的には約166億円かけて6,000mの工事を行った。さらに、上流の美山地区において、124億円かけてJR越美北線の5つの橋梁の架けかえを行い、あわせて川の拡幅工事も行った。その結果、市街地部では1,800トンの流下能力を有し30年に一回程度の確率の雨量に対しても安全である。現在、150年に一回程度の確率の雨量(2,400トン)に対応できるよう上流部に足羽川ダムを建設しピークの流量を減らす計画で用地買収直前の段階であったが、ダム事業の見直し等で検証中となりダムの促進を国に要望している。

 足羽川は河川敷に芝生を張り市民に親しまれる空間を提供しているが、豪雨を受けたことで市民の方々が足羽川から足が遠のくのではないかということで、利活用に積極的に取り組んでおりさまざまなイベントや団体を支援している。また、今年度『まちなか足羽川会議』をもうけ、市民の方々が利用しやすいようにバックアップしている。

「福井県議会視察の様子」

《富山市》 (7月21日)

【調査項目】
●おでかけバス事業について
●中心市街地活性化コミュニティバス運行事業について

『市の概要』
*市政施行:平成17年4月1日
*人口:417,046人(平成23年3月末日現在)
*面積:1,241.85㎢ 

1.おでかけバス事業について

 おでかけバス事業はおでかけ定期券事業の1つであり、公共交通の利用促進による中心市街地への来街者の増加を図るとともに、高齢者の社会参加を促すことで中心市街地の活性化に寄与することを目的として実施している。

 事業実施に至る経過としては、1つにはバスの乗客数の減少がバスの運行数の減少を招き、さらに乗客数が減少するという悪循環を危惧して、公共交通の利便性の向上を図る施策を模索したものである。また、引きこもりがちな高齢者への外出の促進策としての側面がある。外出を促進することによって街中への来街頻度の増を図り、まちのにぎわいにつながるよう実施している。その結果、利用客・運行事業者・市の3者で負担をし合い、利用客が一回につき100円で利用できる制度を導入している。

 この制度は、満65歳以上の市内在住の希望者に年額1,000円でおでかけ定期券を発行し、市内全路線のバスを対象として中心市街地の21の指定バス停と市民病院の3つのバス停への往来が市内のどのバス停からでも一回につき100円で乗車できる。利用時間帯は9時から17時までで、利用区間は市内各地から中心市街地または市民病院の区間と中心市街地から中心市街地の区間の大きく3つからなる。また、おでかけ定期券は中心市街地の144店舗31施設の協賛店やまちなかポイント加盟店で各種割引やポイントをチャージできるサービスも行っている。

 おでかけ定期券の申込者数は平成22年度末で27,656人となっており、対象の高齢者の約31.6%が定期券を所有している。利用者数は年間で約70万人で一日当たり約1,900人が中心市街地に来街しており、開始当初の約30万人から2倍以上になっている。また、平成23年4月よりICカードを導入し、より使い勝手のよい制度にしている。

 市民病院バス停を追加したケースを検証した結果、おでかけ定期券による病院へのアクセス利便性の向上により病院事業の収益増となり、市全体の費用対効果は 1.94倍となっている。

 今後の課題としては、導入時から年々増加している市の負担額をどう軽減するかということが挙げられる。また、利用者から利用時間の延長の要望があるが、事業者の負担もあることから検討課題ではあるが慎重に進めていく必要がある。

2.中心市街地活性化コミュニティバス運行事業について

 中心市街地活性化コミュニティバス(まいどはやバス)導入の背景としては、中心市街地活性化の一環として、中心市街地の来街者の増加と回遊性の向上、中心商店街地区と周辺地域との連携を強化して中心市街地の活性化を図るとともに、中心市街地および周辺地域における高齢者の皆さんに交通手段を提供して、交通アクセスを充実させることにより来街者の増加を図り中心市街地活性化を推進することを目的としている。

 まいどはやバスは自主運行事業で、(株)まちづくりとやま(TMO)が事業主体となり路線バスや市内電車のルートを避けて市内でも交通の便が悪いところを走っている。ルートは中央ルートと清水町ルートの2ルートで、中央ルートは富山商工会議所が創立120周年記念事業として平成12年8月から10月の3カ月間試行運行を実施した後、平成13年3月に本格運行開始となった。また、清水町ルートは平成12年5月に設立された「富山市コミュニティバス導入検討部会」において平成13年11月・12月に試行運行が実施され、平成14年4月に本格運行開始となった。運行時間は9時から19時までで、各ルート1日31便。両ルートとも富山駅周辺・中心市街地の停留所の利用が多いことから、当初の目的である来街者の増加への効果があったと言える。事業費については運行経費の45%を上限として市が補助金を交付しており、平成22年度は約2,280万(42.6%)補助している。利用者数は運行開始から増加を続けていたが平成19年を境に減少へと転じており、特に中央ルートでは目標である1便当たり10.5人を大きく下回っていることから利用者増に向けた取り組みが必要となってきた。そのため中央ルートにおいてルートの見直しを行い平成22年2月より社会実験を実施した結果、利用者数はほぼすべての月で前年度を上回ったため、平成23年4月より変更ルートでの本格運行が開始された。

 ルート変更後の一部区間では道路幅員が狭く、積雪期の運行状況等の課題があるものの利用者数は増加しており、ルート上の安全面での配慮が必要である。また、まいどはやバスは自主運行バスであり事業採算性の確保が重要であることから、運賃収入の増加と運行経費の削減に努めなくてはならないため、社会情勢の変化等を見て見直し・改善等、今後も定期的なフォローアップ調査を実施しその結果の評価が必要である。

「富山市議会視察の様子」

《金沢市》 (7月22日)

 【調査項目】
●歴史的風致維持向上計画について

『市の概要』
*市政施行:明治22年 4月 1日
*人口:461,762人(平成23年4月1日現在)
*面積:467.77㎢ 

1.歴史的風致維持向上計画について

 高度経済成長のもとで都市開発が進行し伝統環境の保存が大きな課題となっていた昭和43年に伝統環境保存条例が制定され、それ以降さまざまなまちづくり条例が制定されてきており、現在では27の関連条例がある。本計画は金沢固有の歴史的風致の維持および向上を図ることを目的としている。

 計画策定の手順・手法としては、(1)平成19年から20年にかけて歴史遺産保存活用マスタープランを策定、(2)庁内歴史都市推進プロジェクトを開催し意見交換、(3)歴史まちづくり協議会を開催し外部意見の聴取、(4)パブリックコメントの実施、(5)文化財保護審議会の意見聴取を経て、本計画を国へ申請という流れであった。

 本計画は金沢市の基本構想である金沢世界都市構想の具現化のための計画の1つとして位置づけられ、作成に当たっては特に関連性の高い歴史遺産保存活用マスタープラン(歴史文化基本構想)、都市計画マスタープラン(まちづくりの方針)、都市景観形成基本計画(都市景観形成の方針)との整合性を図った。

 本計画の関連事業は76事業あり、公園事業・道路事業・無電柱化事業・惣構復元整備事業・農業用用排水施設整備事業等がある。実施期間は平成20年度から29年度の10年間となっている。

 今後の取り組みとしては、金澤町家の保存継承・再生活用と無電柱化の推進が挙げられる。現在年間200軒から300軒消失している金澤町家の保存継承・再生活用に向けて平成22年4月に町家保存活用室をもうけ、今年度は町家コーディネート事業をNPO法人に委託し町家の流通に取り組んでいる。また、金沢方式の無電柱化の推進を図るために無電柱化推進室をもうけて取り組みを進めており、軒下配線やNTT等の空き管路を利用しての無電柱化を進めている。

 

 

「金沢市議会視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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