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平成23年度 施政方針

[2011年2月23日]

平成23年度 施政方針

久保田勇市長

 本日、平成23年3月宇治市議会定例会を招集させていただきましたところ議員各位におかれましては、ご多忙の中にも関わりませずご参集を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 
 平成23年度予算案をはじめ諸議案をご提案申し上げ、ご審議をお願いするにあたりまして、市政運営に臨みます私の所信を述べさせていただき、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 さて、日本経済はリーマンショック後の経済危機を克服し、外需や政策の需要創出・雇用下支え効果により持ち直して参りましたが、急速な円高の進行や海外経済の減速懸念により、昨年夏以降、先行きの不透明感が強まり、また、雇用も依然として厳しい状況が続いております。

 本年1月の月例経済報告では「景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きが見られる。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」とされており、こうした状況を踏まえて、政府は「新成長戦略」の実現に向け、日本経済を本格的な安定軌道に乗せるとともに、デフレを終結させるよう政策運営を行うこととしており、「成長と雇用」に重点を置いた平成23年度政府予算案が国会に提案されたところでございます。

 本市におきましても市内の経済情勢は未だ回復途上でありますことから、本年1月から総合的な経済対策として、既決予算や予備費を活用した公共施設の小修繕等を実施し、また、今後も3月補正予算や新年度予算を通じた公共事業等の早期発注や拡充などの対策を講じていくこととしております。

 本市の財政状況につきましては、平成21年度決算において定額給付金や緊急経済対策等により歳入・歳出ともに過去最大となりましたが、経常収支比率が93.0%となるなど、財政構造は確実に硬直化が進行しており、社会保障関係経費などが激増している実態からいたしますと、極めて厳しい財政状況にございます。

 一方、少子高齢社会の一層の進行、環境問題の深刻化、情報技術の飛躍的な発展等に加え、いわゆる団塊の世代の大量退職期にあり、社会環境は大きく、かつ、急激に変化し、それに伴いまして行政需要も益々多様化、複雑化しており、行政の果たすべき役割はこれまで以上に重要なものとなってきております。

 このような状況にあって、市民の皆さんのご信託に応え、将来にわたって安全で安心して暮らすことができる「ふるさと宇治」を築き上げるため、本市の将来を見据えた行政運営の指針である第5次総合計画の策定に取り組んで参りました。第5次総合計画では、目指す都市像を第4次総合計画に引き続き「みどりゆたかな住みたい、住んでよかった都市」として継続性を保つとともに、新たにまちづくりの目標を「お茶と歴史・文化の香るふるさと宇治」と設定し、この目標の実現に向けた各種事業を推進して参りたいと考えております。また、策定にあたりましては、総合計画審議会に市民公募委員を加えるとともにパブリックコメントを実施し、できる限り市民参画の機会を拡充したほか、中期計画につきましては首長の任期と整合を図ることにより実行性を高めるなど、市民の皆さんとともに策定し、実現していくための計画づくりを行って参りました。約2年間にわたる審議を経て、この1月に答申をいただいたところであり、この答申を踏まえた基本構想について本定例会におきましてご可決を賜りたく、ご提案申しあげるところでございます。

 平成23年度は、第5次総合計画の実現に向けた都市経営方針に基づき、「地球温暖化防止対策の推進」、「安全・安心なまちづくり」、「産業振興や観光振興、経済対策」、「少子高齢社会への対応」、「学校教育の充実」、「歴史と景観が調和したまちづくり」、「都市交通、都市基盤整備の推進」、「給与等の適正化など、行政改革の徹底」の8つの項目に重点的に取り組むこととしております。平成23年度一般会計当初予算案では対前年度比2.2%減となっておりますが、総合的な経済対策として前倒し計上を予定しております3月補正予算を合わせますと昨年度を上回る規模の予算編成が行えたものと考えております。

 それでは、平成23年度の主要な施策につきまして、第5次総合計画の施策体系に基づき、具体的な事業を順次ご説明申し上げます。

 まず、「環境に配慮した安全・安心のまち」に関する施策でございます。深刻な状況を呈しております地球規模の環境問題への対応が急務であり、持続可能な低炭素社会と循環型社会の構築を基本とした施策展開が求められております。このため、本市域の地球温暖化対策として「宇治市地球温暖化対策地域推進計画」に基づき、宇治市地球温暖化対策推進パートナーシップ会議との協働等による啓発活動を推進して参りますほか、住宅用太陽光発電システム設置補助事業をはじめ、緑のカーテン推進事業の拡充など温室効果ガス削減に向けた各種事業に取り組んで参ります。

 ごみの減量化および適正処理の推進につきましては、次代を担う子ども達への環境教育の実施や宇治川花火大会クリーン作戦等を通じて環境意識の向上に努めて参りましたほか、ごみ出しが不自由な高齢者世帯などに対し、戸別収集と安否確認を行う「ふれあい収集」を実施するなど、市民サービスの充実に努めて参りました。こうした取り組みを引き続き進めて参りますとともに、「宇治市第2次ごみ処理基本計画」に基づき、市民、事業者、行政の連携・協働によりReduce(リデュース)(発生抑制)、Reuse(リユース)(再使用)、Recycle(リサイクル)(再生利用)の3Rを推進するため、さらなる啓発とごみの分別品目の拡大や指定ごみ袋制の導入に向けた取り組みを進めて参ります。また、可燃ごみの収集運搬業務につきましては、「今後の清掃事業について-可燃ごみの収集・運搬業務の民間委託に向けて-」に基づき、民間委託化に取り組んで参ります。

 安全・安心なまちづくりにつきましては、近年、全国各地で発生しております異常気象に伴う災害や南海・東南海地震が今世紀前半に発生する可能性が高まっておりますことから、災害から市民の皆さんの生命と財産を守るため、防災施策の充実に努めて参ります。災害に対する地域の防災力を高めるため、各地域での自主防災組織の育成や自主防災マニュアルづくり、また、「宇治市災害時要援護者個別避難支援計画」の全市域への拡大を進めるとともに、災害避難時においても高齢者や障害のある人など特に配慮を必要とする人向けの福祉避難所の指定に取り組んで参ります。また、災害に強いまちづくりの一環として「宇治市建築物耐震改修促進計画」を周知・啓発するとともに、耐震診断および木造住宅の耐震改修に対する助成制度の活用により、建築物の耐震化促進に引き続き取り組んで参ります。

 防犯対策につきましては、本年3月に策定いたします「宇治市第2次防犯推進計画」に基づき、市民、関係機関・団体、事業所、学校と行政が相互に連携し、安全で安心なまちづくりを推進して参りますほか、昨年4月から施行しております「宇治市犯罪被害者等支援条例」の周知を図って参ります。また、長年の地域課題であった広野交番につきましては、本市で10箇所目の交番としてこの春に開所が予定されており、地域住民の皆さんにもご活用いただけるコミュニティールームが併設されるなど、地域の防犯拠点として大いに期待しているところでございます。

 消防・救急の充実につきましては、消防救急無線のデジタル化の共同整備に向けた取り組みや現行指令システムの老朽化に伴う更新整備を行い、指令体制の充実強化を図りますとともに、今日の救急需要増加に対応するため、高規格救急車を更新し、西消防署に配置して参ります。さらに、救急救命士の養成や各種研修を計画的に実施し人材育成に努め、より高度な救急サービスの提供を図って参ります。住宅火災の防止と被害軽減を図るため、平成23年5月末を期限として住宅用火災警報器の設置を義務付けておりますことから、全戸設置に向けた一層の普及促進に努めて参ります。 また、地域に密着した即時の対応力と動員力を持つ消防団につきましては、消防団員の確保に向け、魅力ある消防団の環境づくりに取り組んで参ります。

 宇治川治水対策の推進につきましては、大規模災害を防ぎ、市民の皆さんの生命と財産を守るための「治水」を最優先させ、そのことがしっかりと確保された上で、環境や景観などについて最大限の配慮をすべきとの立場で、これまでから国に対しまして適切な事業推進を求めてきたところでございます。現在、「淀川水系河川整備計画」に基づく堤防強化や河道掘削等の対策が進められておりますことから、安全面には特に留意いただき、今後とも早期の完成を要望して参ります。

 次に「ゆたかな市民生活ができるまち」に関する施策でございます。

 市民文化の創造につきましては、「紫式部文学賞・紫式部市民文化賞」が本年で21回目を迎えることとなります。昨年は創設から20回目という節目を迎えましたことから、源氏物語ミュージアムにおいて記念講演会や記念フォーラムを開催いたしましたほか、20周年記念誌「宇治でつづる、夢のつづき」を発行いたしました。今後も「源氏物語のまち宇治」を全国に発信して参りますとともに、宇治十帖スタンプラリーや宇治田楽まつり、市民文化芸術祭などの市民参加事業に取り組み、各種文化活動団体との連携を図りながら市民文化の向上に努めて参ります。また、源氏物語をはじめとする古典に親しむことを目的に宣言された11月1日の「古典の日」をさらに周知していくため、京都府、京都市、京都商工会議所などの関係団体との連携を図って参ります。

 「第26回国民文化祭・京都2011」につきましては、本年10月から京都府内全域で開催されます。本市ではマーチングフェスティバルと全国田楽(でんがく)祭(さい)の開催を予定しており、全国から多数の出演者と来訪者をお迎えすることとなります。「こころを整える~文化(ぶんか)発心(ほっしん)」のテーマに相応しく、本市の特色ある大会とするために、第26回国民文化祭宇治市実行委員会を中心に広く市民の皆さんのご協力の下、大会運営に努めて参りますとともに、「宇治」の魅力を全国に発信して参りたいと考えております。

 農業の振興につきましては、国の米政策が戸別所得補償へと抜本的に変更される中、国の補償制度に該当しない野菜等への転作につきましても、本市独自に助成対象とすることにより、地域特産物の振興を図って参りましたほか、地産地消を推進するため、学校給食での市内産米の利用等に引き続き努めて参ります。また、農業従事者の高齢化や後継者不足などの解消に向け、担い手の育成を図るとともに、生産力の向上と経営の安定化など、総合的な振興策の推進や、収益性の高い農産物栽培の促進、消費拡大対策などに取り組んで参ります。

 巨椋池干拓地内の排水対策につきましては、巨椋池地域排水対策協議会等におきまして、適正な施設管理を行いますとともに、排水幹線水路等の早期完成に向け、事業の推進に努めて参ります。

 茶業の振興につきましては、全国ブランドの「宇治茶」の名声と伝統を守り育てる支援施策や優良茶園の保全、高品質茶の生産の促進、経営規模拡大・省力化など、生産性の向上に向けた取り組みを支援して参ります。また、京都府では「宇治茶」に代表される茶文化等の世界遺産登録に向けた検討事業が進められる予定であることから、今後、京都府および関係市町村との連携を図って参りたいと考えているところでございます。

 林業の振興につきましては間伐等の支援を行うとともに、ナラ枯れやマツクイムシ等森林病害虫による被害を防除するための施策を引き続き実施し、森林の保全に努めて参ります。

 商工業の振興につきましては、景気低迷に伴います臨時的措置として、条件を緩和して実施しております「宇治市中小企業低利融資制度」を継続いたしますほか、商店街や商工業団体を対象としたイベント事業や販売促進・セール事業への支援を引き続き実施するとともに、宇治商工会議所と連携を図り、市内小規模企業の経営改善事業をはじめ、地域経済の活性化を担う人材育成や販路拡大を図る商業活力の再生に向けた取り組みを支援して参ります。また、展示会出展支援や中小企業育成支援を実施するほか、宇治市産業振興センターおよび宇治ベンチャー企業育成工場を活用し、既存企業への支援とベンチャー企業の育成を推進するとともに、京都府の企業誘致支援策と連携して「宇治市企業立地促進条例」に基づく企業誘致を進めて参ります。

 観光の振興につきましては、豊かな自然環境や文化的資産など数多くの観光資源に恵まれ、京阪神に近接する本市の優れた立地条件を活用するとともに、宇治川太閤堤跡の保存・活用や周辺地域の整備を含めた「宇治茶と歴史・文化の香るまちづくり構想」の具体化を進める中で、新たな観光資源の活用に努めて参ります。これまで進めて参りました「源氏物語のまち」に「秀吉と茶の湯」という新たなテーマを加え、宇治の魅力を一層高めて参りたいと考えております。また、宇治川花火大会や京都宇治灯り絵巻など、各種イベント等の実施に向け宇治市観光協会をはじめとする関連団体と連携を図って参りますとともに、観光入込客数の拡大に向け、京都府、京都市や山城地域の各市町村との広域的な連携を密にした観光振興に取り組んで参ります。さらに、年々外国人観光客が増加しておりますことから、海外からの観光客に対応した取り組みを強化して参ります。

 雇用の確保に向けましては、依然として市内の経済状況、雇用環境が厳しく、景気の先行きが不透明であることから、本市におきましても国の補助制度を活用するなど総合的な経済対策を講じ、生活関連周辺整備事業の拡充や福祉関連の事業などを実施することにより雇用創出に取り組んで参ります。また、ハローワークや京都府等の関係機関と連携を図り、雇用対策の充実に努めて参りますほか、城南地域職業訓練協会と連携し、平成22年度末で廃止とされた「城南地域職業訓練センター」で実施しておりました職業訓練事業につきましては、引き続き国において実施されるよう強く求めて参りますとともに、本市といたしましても継続に向け、最大限努力して参ります。

 人権施策につきましては、市民の皆さん一人ひとりの尊厳と人権が尊重される社会を実現するため、「宇治市人権教育・啓発推進計画」に基づき、人権尊重理念の普及とさまざまな人権問題の解決に向けた広報活動や啓発・交流事業、コミュニティワークうじ館およびこはた館における福祉の向上や人権啓発の取り組み、山城人権ネットワーク推進協議会等を通じた広域連携・市民連携の取り組みを推進するとともに、庁内における人権教育・啓発の一層の推進に努めて参ります。

 男女共同参画施策につきましては、地域に根ざした男女共同参画社会を実現するため、本年3月に策定いたします「第3次UJIあさぎりプラン」を新たな基本的指針とし、男女共同参画支援センターを拠点に、市民団体等とのさらなる連携・協働を図りながら、相談事業の充実や女性の社会参画の促進、DVへの対応の強化などに取り組み、男女共同参画の一層の推進に努めて参ります。

 次に「健康でいきいきと暮らせるまち」に関する施策でございます。

 地域福祉の推進につきましては、少子高齢化の急速な進行や家族形態の変化、また、この間の経済・雇用状況の悪化などにより、地域での暮らしを取りまく環境も大きく変化しております。こうした中にあって、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるよう、本年3月に策定いたします「第2期宇治市地域福祉計画」に基づき、市民の皆さんのご協力の下に、地域福祉の推進に取り組んで参ります。

 健康づくり施策につきましては、妊婦健康診査への助成をはじめ、乳幼児に対する各種健康診査や予防接種、保健相談・指導などを実施する中で、子ども達の健やかな成長を支援するとともに、障害の早期発見・早期対応に努めて参ります。また、市民の皆さんが生涯にわたって健康でいきいきと暮らすことができるように、「宇治市健康づくり推進プラン」および「宇治市食育推進計画」に基づく各種事業を推進して参りますほか、インフルエンザをはじめとする感染症の発生・蔓延の予防に向け、京都府および宇治久世医師会と連携を図り、予防対策を推進して参ります。

 成人に対する健康診査等につきましては、特定健康診査や特定保健指導の受診率向上に向けた取り組みを進めるとともに、後期高齢者の健康診査や半日人間ドック補助を実施して参ります。各種がん検診につきましても継続して参りますほか、女性特有のがん検診につきましては引き続き無料クーポン券を配布して参ります。本年1月からは、新たに自己負担なく子宮頸がん予防、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチン接種を開始するなど、市民の皆さんの健康保持、増進に向けた取り組みを推進して参ります。

 長寿社会への対応につきましては、地域における包括的な支援体制づくりを目指し、地域包括支援センター等におきまして、高齢者の相談に総合的に対応するとともに、包括的・継続的なケアマネジメントを行って参ります。また、運動機能の向上等、さまざまな介護予防教室を開催して参りますとともに、認知症の人やそのご家族が地域で安心して暮らせるまちづくりを目指し、認知症あんしんサポーターの養成や家族支援事業などを進めて参ります。そのほか、高齢者の社会活動への参加や自主的な活動に対する支援を行うとともに、今春、木幡正中に新たに老人園芸ひろばを開設するなど、生きがいづくり事業の充実に努めて参ります。

 介護保険事業につきましては、高齢者の介護を社会全体で支えるという制度の趣旨を踏まえた適切な運営に努めて参りますとともに、介護相談員の派遣などサービスの質の向上に努めて参ります。また、国や京都府の助成制度を活用し、適切な施設サービスが提供されるよう環境整備を進めて参りますとともに、地域密着型サービス施設につきましても基盤整備に取り組んで参ります。平成23年度は、次期計画となる「宇治市高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画」の策定年度となりますことから、今後の高齢化の進行に対応した計画づくりに取り組んで参ります。

 子育て支援の充実につきましては、「宇治市児童育成計画・次世代育成支援対策行動計画」に掲げた目標を、総合的かつ着実に推進することを基本に取り組んで参ります。児童虐待の防止や子育て中の保護者の孤立化を防ぎ、楽しく子育てできる環境を創出していくため、地域子育て支援拠点、ファミリーサポートセンターでの各種事業を継続するとともに、京都文教短期大学が昨年9月に開設されました「ぶんきょうにこにこルーム」を活用して地域が実施される子育て支援事業に対する助成を行うほか、病児・病後児保育事業などに引き続き取り組むなど、地域で支える子育て支援の取り組みを推進して参ります。

 「子ども手当」につきましては、平成22年度に引き続き、平成23年度においても国が全額を負担することなく、地方との十分な議論もないまま地方負担を継続した暫定的な形での実施となり、非常に遺憾であると考えているところでございます。しかしながら、市民の皆さんへの影響を第一に考えますとともに、手当から保育料や学校給食費へ直接納付することが可能となるなど、地方からの声の一部が反映された部分もございます。こうしたことから、平成23年度につきましては法案が成立することを前提として、予算計上することといたしました。なお、国に対しましては、地方六団体等において「全国一律の現金給付については、国が全額を負担すべきである」という声明や決議を行っており、こうした地方の主張を十分に踏まえ、国と地方が継続的に協議し、地方の理解が得られる形で制度改正が行われることを、引き続き全国市長会等を通じて求めて参りたいと考えております。

 本市の喫緊の課題と位置付けております保育所の待機児童対策につきましては、槇島保育所の民営化に伴う民間保育所を含め、3箇所の民間保育所の新設や耐震改修に合わせた増改築により、本年4月からは約370名の定員増を図ることとしております。平成23年度につきましては、緊急的な対策として公的施設などを活用した家庭的保育事業の拡充に取り組んで参りますとともに、「宇治市次世代育成支援対策行動計画」で定めました目標事業量の達成に向け、    平成25年度からの民間保育所の開設を目指し、五ケ庄梅林の国有地の取得、造成工事に取り組むなど、引き続き待機児童の解消に向けた取り組みを進めて参ります。また、国において幼保一体化に向けた保育制度の大きな見直しが検討されていることから、本市におきましても新たな制度への対応、公立保育所の役割や在り方等について「(仮)宇治市保育所運営検討委員会」を設置し検討して参ります。

 障害者福祉につきましては、国や京都府の障害福祉サービスに係る利用者負担軽減策に加え、地域生活支援事業の各種サービスに係る本市独自の利用者負担軽減策を引き続き実施して参ります。また、昨年7月からは黄檗市営住宅を活用した障害者グループホームを開設したところであり、今後も引き続き障害のある人が自立した日常生活を営むことができる地域社会の実現を目指し、「宇治市障害者福祉基本計画」等に基づく各種施策の展開を図って参ります。さらに、需要の増加が見込まれる障害者福祉施設につきましては、平成25年度からの開設を目指し、五ケ庄梅林の国有地の取得、造成工事に取り組んで参ります。また、本年4月から新たに開設されます「宇治特別支援学校」における放課後対策事業にも支援を行って参ります。

 低所得者福祉につきましては、雇用情勢の悪化・低迷に伴う失業や、病気、高齢等、さまざまな理由によりまして生活に困窮しておられる市民の皆さんに対し、生活保護制度の適正な運用に努め、自立支援を推進して参ります。

 次に「生きる力を育む教育の充実と生涯学習の推進のまち」に関する施策でございます。

 学校教育の充実につきましては、子ども達にとって安全・安心で魅力ある学校であるとともに、今後も主体的・創造的な教育の展開や学校の自主性・自律性の確立が求められており、地域に開かれた特色ある学校づくりを推進するなど、生涯学習の振興とあわせて教育先進都市を目指すに相応しい諸条件の整備に努めて参ります。なかでも、義務教育9年間を見通した小中一貫教育を平成24年度から全小・中学校で実施をいたしますことから、引き続き全ての中学校区に小・中連携を進めるためのコーディネータ教員と連携指導教員を配置するなど諸条件の整備に努めて参りますほか、英語指導助手(AET)を増員し、全ての中学校区に配置することにより、小・中学校を通じた外国語教育の充実を図ります。また、市民の皆さんへの啓発につきましては「宇治市の小中一貫教育」などの各種広報紙の発行や「小中一貫教育フォーラム」の開催などを通じて積極的に進めて参ります。とりわけ小中一貫教育のパイロット校的役割を果たします(仮)第一小中一貫校の整備につきましては、第1期建設工事に着手しており、現在進めております校名の選考や、地元関係者の皆さんのご協力を得ながらの開校準備など、平成24年度の開校に向けてハード・ソフトの両面で万全を期して諸準備を進めて参ります。

 学校規模の適正化が課題となっております西小倉地域の小学校の統合につきましては、本年12月までには具体的な統合の実施計画を決定できるよう、地元関係者の皆さんとの協議を進めて参ります。

 学校施設整備につきましては、木幡小学校北校舎の増築を引き続き進めて参りますとともに、耐震化対策として4小学校および2中学校の校舎の耐震補強工事に取り組むほか、小・中学校の普通教室等への空調機の設置を計画的に進めて参ります。

 学校給食につきましては、13校目となる西小倉小学校において調理業務の民間委託を新たに実施するとともに、直営校・委託校を問わず安全でおいしい給食の提供に努めて参ります。

 中学校での昼食の提供につきましては、昨年12月にいただいた「中学校昼食検討委員会」のまとめを踏まえた方針に基づき、本年10月から中学校1校で試行実施して参ります。

 また、虫歯になりやすい学童期に実施することが望ましいフッ化物洗口について全小学校で実施して参ります。

 特別支援教育への対応といたしましては、障害のある児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育支援を行うため、「いきいき学級支援員」を引き続き全ての小・中学校に配置して参ります。また、いじめ、暴力等の問題行動や不登校児童・生徒が依然として多い現状を踏まえ、「適応指導教室」の運営、「心と学びのパートナー」の派遣などを実施し、児童・生徒が心のゆとりを持てる環境づくりに努めて参ります。

 幼稚園につきましては、神明幼稚園の耐震化対策や全幼稚園での空調機設置に向けた設計を進めて参りますほか、「就学前教育のあり方検討委員会」のまとめを踏まえた方針に基づき、東宇治幼稚園の余裕教室を活用した家庭的保育事業に取り組んで参ります。

 生涯学習につきましては、各種市民講座などの開催や学習情報の発信などに引き続き取り組み、これからの地域社会の担い手となる人材発掘と育成に努めて参りますとともに、平成23年度で計画期間が終了する「宇治市子どもの読書活動推進計画」の後継計画の策定に取り組んで参ります。また、生涯スポーツのさらなる普及に向け、引き続き「全日本中学ボウリング選手権大会」を開催するとともに、総合型地域スポーツクラブや昨年8月に本市もホームタウンとなりました京都サンガFCとの協働を通じ、生涯スポーツの振興に取り組んで参ります。また、昨年6月にグラウンド・ゴルフ場を開設いたしましたアクトパル宇治につきましては、平成23年度中に利用者が100万人を、源氏物語ミュージアムにつきましては、入館者が150万人を超える見込みでありますことから、それぞれ記念イベントを実施して参りたいと考えております。

 次に「歴史香るみどりゆたかで快適なまち」に関する施策でございます。

 みどりとうるおいのある環境整備を進めて参りますため、みどりの拠点である植物公園におきましては「源氏ゆめほたる事業」をはじめとする各種の取り組みを通じまして、市民の皆さんに親しまれる公園の運営に努めて参ります。児童公園等につきましては、憩いの場、遊びの場として子どもから高齢者まで幅広く利用されていることから、国の補助制度を活用し、順次バリアフリー化を進めて参ります。また、黄檗公園の防災機能の強化を図るため、体育館の耐震補強に向けた詳細設計を実施して参ります。

 歴史と景観が調和したまちづくりにつきましては、宇治川太閤堤跡の保存・活用を図るための史跡整備や、重要文化的景観に選定されました宇治橋周辺のまちづくりに関するさまざまな事業を「宇治市歴史的風致維持向上計画」として取りまとめ、国の認定を受けて参りたいと考えております。また、宇治川太閤堤跡のうち史跡指定された部分につきましては用地取得を終えたところですが、引き続き関連用地につきましても取得を進めて参ります。

 重要文化的景観につきましては、既選定地区である宇治橋周辺地区のなかで、宇治橋通りの景観保全に関する整備計画を策定するとともに、白川地区の追加選定に向けた取り組みを進めて参ります。また、景観計画重点区域につきましては宇治地区、白川地区に加え、黄檗地区への拡大に向けた調査・検討を行って参ります。さらに、「全国文化的景観地区連絡協議会・宇治大会」を開催し、宇治の文化的景観を全国にPRするとともに、多くの市民の皆さんにご参加いただけるイベントを開催し、文化的景観に対する市民の皆さんのご理解が一層深まるよう努めて参りたいと考えております。

 快適な都市交通とバリアフリーのまちづくりに向けましては、近鉄大久保駅前交通広場整備工事に着手いたしますとともに、周辺歩道のバリアフリー化を進めて参ります。また、JR奈良線の全線複線化に向け、沿線市町で構成するJR奈良線複線化促進協議会を中心に整備促進に向けた取り組みを進めて参ります。

 良好な市街地の形成につきましては、社会状況の急速な変化や第5次総合計画の策定等に伴い、都市の発展と秩序ある整備の基本指針である「宇治市都市計画マスタープラン」の見直しを行って参ります。また、市民参加を推進していくための活動支援として、出前講座や地域セミナーの開催等に引き続き取り組んで参りますほか、民間事業者による開発事業については構想段階から周辺住民に周知を図るなど、市民、事業者、行政の協働によるまちづくりを推進して参ります。

 道路の整備につきましては、市内の交通渋滞を解消するため、京都府と連携を図り、新宇治淀線の整備や京都宇治線の黄檗交差点をはじめとする交差点改良などの促進に努めて参りますとともに、井川改修と整合を図った遊田橋の架け替え事業に引き続き取り組んで参ります。また、宇治槇島線につきましては、本年秋の全線完成を目指して取り組みを進めて参ります。

 歩行者等の安全対策につきましては、十一外線や西田熊小路線、宇治五ケ庄線の歩道拡幅整備を実施して参りますとともに、京阪宇治国道踏切の拡幅整備や宇治白川線の歩道整備等に取り組んで参ります。さらに、老朽化が進む道路側溝等の施設の改修工事を順次進めて参りますとともに、道路橋の「橋梁長寿命化修繕計画」の策定に取り組んで参ります。

 都市計画道路につきましては、近年の社会情勢の変化や人口減少が見込まれる中、必要性・実現性を引き続き検証し、一部廃止などの見直しに取り組んで参ります。

 河川・排水路等の整備につきましては、ゲリラ豪雨等の雨水対策を強化していくため、新たな組織を設置することとしており、今後も京都府と連携を図り、井川や弥陀次郎川、木幡池を含む堂ノ川等の改修工事および適正な維持管理を促進して参りますとともに、新宇治淀線整備事業に合わせました名木川改修や井川排水機場の改築・更新事業を推進して参ります。また、槇島町目川地区排水路や広野4号排水路、小倉1号排水路などの整備のほか、排水路改修等に向けた設計を実施して参ります。

 小・中学校のグラウンドを利用した雨水流出抑制施設につきましては、小倉小学校で整備工事を実施いたしますとともに、南宇治中学校での整備に向けた設計を実施して参ります。

 上水道につきましては、将来に渡って安全・安心な水を安定かつ持続的に供給できるよう、「宇治市地域水道ビジョン」に基づき、水道施設の統廃合など効率的な運営に努め、企業としての経済性を発揮しつつ、ライフラインの要として災害時にも安定した給水を確保するため、既存施設の耐震化や幹線配水管の整備などを推進して参ります。

 また、笠取簡易水道につきましては、上水道との接続に向けた実施設計や送水管の布設工事等を行って参ります。

 下水道につきましては、管渠建設を推進するとともに、東宇治浄化センターの施設拡充や改築事業を計画的に進めて参ります。今日まで建設して参りました管渠や施設等の老朽化に伴う破損や事故などを未然に防止するため、ライフサイクルコストを考慮した長寿命化計画を策定しているところであり、この計画に基づき事業を実施して参ります。また、普及促進員制度の活用をはじめ、水洗便所改造資金融資あっせん制度などさまざまな方法、機会を通じ、より一層の水洗化率向上に向けた取り組みを推進して参ります。なお、これまでの取り組みの結果、平成22年度事業完了時点での整備率は80.0%を見込んでいるところでございます。

 さらに、効率的な組織運営を目指し、一体的に事務が執行されるよう、上下水道部門については、平成24年度統合に向け、引き続き検討を進めて参ります。

 次に「信頼される都市経営のまち」に関する施策でございます。

 市民参加の機会の充実につきましては、協働する地域社会の構築を促進するため、NPOや市民団体との協働による事業展開に努めて参ります。また、各種審議会などへの公募による市民参加を積極的に働きかけるほか、「パブリックコメント手続きに関する指針」に基づき市民意見の提出機会を設けるなど、市政に対する市民参画を進めて参ります。

 地方主権の確立につきましては、今後、国の地域主権戦略大綱に基づき、権限と財源の移譲が進められ、都市間競争がさらに激しくなることが予想されます。このような中、本市が持続して発展していくためには、産業や観光をはじめさまざまな分野において時代を先取りし、「宇治」の魅力を一層高めていくことが必要であることから、第2期中期計画に具体的な取り組みの方向が示せるよう本市の将来戦略の検討を進めて参ります。

 行政改革の推進につきましては、厳しい財政環境の中、市民福祉の向上に資する財源を捻出していくため、徹底した行政改革を断行していく必要がございます。このため、「宇治市第5次行政改革大綱および実施計画」に基づき、行政サービスの向上と行政の効率化の推進を基本方針とし、「選択と集中」の理念のもと、聖域なしの行政改革に取り組んで参ります。

 定員管理につきましては、平成23年度で「第2次宇治市職員定員管理計画(改訂版)」が終了いたしますことから、後継計画の策定を進め、事務の効率化や組織の合理化、民間委託の推進等により、引き続き適正な定員管理に努めて参ります。

 また、人事給与制度につきましては、最重要課題と位置づけて改革を進めており、引き続き適正管理に努めて参ります。残る特殊勤務手当の見直しにつきましては、昨年3月定例会での付帯決議を重く受け止めて取り組んでおり、本定例会に条例改正案を提案するべく、職員団体とも最終的な詰めを行っているところでございます。

 市税、保育料、国民健康保険料等の収納対策につきましては、負担の公平性の観点に立ち、収納率向上に鋭意取り組んで参ります。特に市税につきましては、安定した税財源と税負担の公平性を確保するため、昨年1月に設立された京都地方税機構に参加し、徴収率の向上に取り組んでいるところでございます。さらに、市税、国民健康保険料、介護保険料、上下水道料金につきましては、本年4月からコンビニエンスストアでも納付が可能となるよう、利便性の向上に向けた取り組みを進めているところでございます。

 入札、契約のIT化につきましては、インターネットを活用した情報提供等の取り組みを進めるとともに、電子入札につきましてはできるだけ早い時期に一定規模以上の案件について導入して参りたいと考えております。

 最後に、本市の人口構成は全国平均と比べて団塊の世代の割合が高く、今後急激に高齢化が進むと予測しており、支える世代である生産年齢人口と支えられる世代である年少人口および老年人口の比率、いわゆる従属人口指数が急激に上昇していくことが確実であるため、子どもや孫の世代に負担を先送りせず、将来を見据えたまちづくりを行う必要がございます。こうしたことから、長期的な展望に立ち、健全財政の維持に努めることが、市民の皆さんからご信託を得た私の使命であると肝に銘じております。

 以上、平成23年度の市政運営に臨みます私の所信の一端と主要施策の概要につきまして申し述べさせていただきました。厳しい社会経済環境の中にあっても着実かつ継続的に行政運営を進め、「ふるさと宇治」の今と未来に対して市の役割をしっかりと果たして参りますため、全力を傾注いたす所存でございますので、議員各位の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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宇治市政策経営部 行政経営課

電話: 0774-21-1584 ファックス: 0774-20-8778

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